TEAC/A-R630MKⅡ という奇跡 

面白いアンプがあるので紹介。

初代(MK1)は10年以上前の発売だが、このMK2も発売5年くらいになる。
筆者は昨年まで約2年使用していたのだが、大変音のいいアンプなので気に入っていた。

このアンプの前は古いサンスイのアンプで聴いていたのだが、一部調子が悪くなり、さてどうしようかと思っていた。サンスイに匹敵する新品アンプが現代の市場にあるのか、探すのに時間が掛かりそうだったので、それまでの間に合わせで安いアンプ(出来れば4万円以下)を導入しようと考えたのであった。とはいっても、どれが良いのか皆目見当がつかないので、各製品のレビューやコメントを読みまくったわけである。もちろん、消費者の評価がすべて正しいわけではないのだが、よく見るとそのレビューの本気度が伝わってくる。そしてこのアンプに辿り着いたということで、即、購入。何と、2万円を切る価格で入手出来た。デザインも安い割に立派なところも気に入っていた。
正直、大きな期待は無かったので、しばらく普通に使えればいいやといったところであった。悪くなければ儲けものという感じ。

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CDとカセットデッキをつないでラフに聴き出すと、「うん? 」という感じ。瑞々しく楽しい音。特に違和感はない。アレコレ聴いていっても、「やはり安物だな」といった印象は皆無で、次々と聴きたくなってくる音質なのだ。これはいいものを買ったのかもしれないと感じたのであった。
機能面で面白いと思ったところもあった。まず、この”ソース・ダイレクト”。どのアンプにもある、コントロール機能をジャンプするスイッチだが、このアンプに関しては全く違う要素もあるのだ。普通、ダイレクトONにすると他の回路をジャンプするので、純度・透明度が上がり、クォリティの一段高い音質が得られる。このアンプももちろんそうなる。ところが、このアンプの面白さはその逆にあるのだ。

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ダイレクトOFFにしたとき、単に純度が落ちるのではなく、むしろ音に色彩感が増してくるのが不思議なのである。音楽を聴いていてむしろそのほうがプラスに感じる場合がある。特に古いソフト(1980年以前)を聴くとき、ソフトのアラや欠点が露わにならずに上手く聴ける。どこか色気もあり、70年代のアンプを聴いている感じすらするのだ。ON・OFF両方で楽しめるというのは大変な魅力と言える。

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もう一つは、マイク入力端子だ。かつては一部のアンプ(特にレシーバー)のフロントパネルに付いていることがあったが、現在では全くと言っていいほど無い。カセットデッキすら、80年代に入ってからはマイク入力端子がないものがほとんどだった。それが、何を思ったのか、この安いアンプに付いているのである。おそらく、このアンプでカラオケをやることを想定しているのではないか。そういう風にも使えるアンプということで、別の魅力を出そうとしているのかもしれない。確かに、他にないので面白いと思う。ある種の”売り”になっている。実際、40年以上前に買ったソニーのコンデンサーマイクを繋いで声を出してみたが、割と太い音で迫力があった。

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内部はごく普通。トランスはこのクラスにしては大きい。基盤もそれなりのもので、特に高級ではない。

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コンデンサーはやや小さめ。しかし、必要にして十分なもの。

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ボリュームは小さめだが、しっかりとしたものが使われている。

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トランジスターが取り付けられているヒートシンクはかなり大きい。

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大きな筒状のもになっていて、外側にTrが付けられている。

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筒の中は空洞で、なぜこんな構造になっているのか今一つ分からない。筒の入り口には小さなファンが付いていて、筒の中の空気を外に排出するようになっている。アンプ背面に排出口がある。もちろん、熱を出すためなのだろうが、高温になるAVアンプならともかく、普通のアンプでこういう機構のものは見たことがない。もっとも、熱くなりすぎるよりはいいので、決してマイナスではない。

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様々なジャンルの音楽を数年間聴いてみて、不満に感じたことは一度もない。超ハイファイというわけではないが、実に音楽を気持ちよく聴かせてくれる。瑞々しく彩りある音質は、これ以上のものが必要ないと思わせる奇跡的なアンプと言える。

ただ、耐久性についてはあまり期待しない方がよいかもしれない。3年目にノイズが入り出し、修理を頼んだら、買い替えたほうが安いと分かり手放した。ここら辺、メイド・イン・ヴェトナムということもあるのかもしれない。。。

また機会があったら使ってみたいアンプであることは確かである。


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